五十肩・腱板断裂の違いと運動療法

本日も肩の機能をまとめます!

今回より一般向けの記事も少しずつ書いていきたいと思います。

ブログのことも勉強しつつなので、ゆっくりになりますが、少しずつ認知してもらえたらと思います。よろしくお願い致します!

腱板断裂のことを前回の記事でまとめていきました!

腱板断裂は主に棘上筋で起こるといわれ、棘上筋が何かしらの影響で収縮不全になったり、肩峰下滑液包がうまく機能していない場合の摩擦ストレスや繰り返されるインピンジメント症候群により腱板の強度は劣化し断裂に至ります。

特に棘上筋が断裂した場合、単独断裂の場合では外転筋力は20~30%低下するといわれているため、 肩関節外転挙上は困難となります。
              沖縄医報  Vol.48 No.8 五十肩と腱板断裂より

https://ameblo.jp/nopain8nogain/entry-10897972259.htmlより引用

実際は腱板断裂と言われてなくても、高齢の解剖体を観察すると、その大小は様々であるが、30%余の肩に腱板断裂がみられた。
        千里リハビリテーション病院 副院長、吉尾雅春先生講義より

脳卒中片麻痺患者の40%に腱板断裂がみられた。
               Najenson et al.1971,Nepomuceno et al.1974

このように健常者だと思われていても実際は腱板断裂していた方が3割もいるということも事実です!

他にも腱板断裂は、60代以上の4人に1人に起きており、しかも約6割は痛みなどの症状が現れないとする報告があります。
  NHK 健康ch 愛知医科大学 特任教授 岩堀 裕介 先生より

上記の場合多くは、腱板断裂の進行がゆっくりで炎症が起きにくいために、痛みを感じにくいことなどが理由と考えられます。ただし、腱板断裂がある以上、動かし方や使い過ぎなど何らかのきっかけで痛みが発生する可能性があります。

40肩や50肩は痛みがあり、腱板断裂は痛みがでない場合もある・・・じゃ、具体的に何が違うのでしょうか?

40肩と腱板断裂の違い

今回のタイトルにもしていますが、五十肩と腱板断裂の違いについてまとめていきたいと思います。

40肩や50肩は肩関節包を中心にその周辺組織に 炎症が生じた状態であり、 いわゆる肩関節周囲炎とも呼ばれています。50肩の炎症の程度は様々であり、24%が激しい痛み、67%が軽い痛み、9%が痛みがなかっ たとの報告があります。一方で腱板断裂(詳細は前回の肩関節の評価とその解釈②をご参照ください。)は腱板断裂は関節包の外側に取り巻いている腱の断裂した状態です。多くの場合は棘上筋の断裂になります。痛みの程度としては痛みが出ない場合もそれなりにいらっしゃいます。

このことから、痛みと可動域制限の両方を認めた場合には五十肩と腱板断裂の鑑別をしていくことがポイントとなります!

腱板断裂の場合は触診にてある程度触れることができます。断裂した腱板は近位方向へと引き込まれていきますので、断裂部には間隙が生じます。この部分を陥凹部(delle)と呼びMRIが普及する以前医師はこの所見から腱板断裂を疑っていました。整形外科クリニックや慢性期のデイサービスや訪問看護、施設等で従事している理学療法士はdelleの触診はできるようになっていることが望ましいですね。もちろん超音波エコー等の画像診断があれば言うことがありませんが、まずは触診技術を上げることからスタートとなります。

陥凹部(delle)

痛みについて

五十肩の場合肩関節周囲に炎症が起こっている状況なので、当然肩が腫れます。そして坐位でも立位でも背臥位でも痛みや可動域は変わりません。一方で腱板断裂は急性期の場合は痛みがありますが、挙上自体は痛みが大きくなくある程度動作可能です。しかし外転の場合は三角筋がうまく収縮しないため代償をつかいながら外転していきます。

慢性期の腱板断裂(右棘上筋断裂)

肩の痛みは動作時痛と、安静時痛とがあります。特に安静時痛は、夜間痛も強く睡眠障害までも招いてしまう場合があります。一般に、五十肩は、早期では烏口突起や結節間溝の肩前方部分が痛みます。慢性期では後方部分(四辺形間隙)に痛みを訴えます。一方、 腱板断裂は肩峰外側部の棘上筋腱上腕骨付着部に痛みを感じ、その延長上の三角筋外側部に放散痛が認められます。

肩関節痛みの好発部位

肩の理学的所見

肩の理学的所見  五十肩と腱板断裂は、ともに初期は疼痛のた め動きが制限されます。しかし、異なるところ は、経過中に腱板断裂は五十肩に比べて関節拘 縮をきたすことが少ないことです。

腱板断裂の確認方法:有痛弧兆候、drop arm sign、インピンジメント症候群の有無(Neer impigiment test、Hawkins impingiment tes)等のテストで腱板断裂の有無を確認します。

*痛みが発生しますので、十分に説明と同意をもらわないといけません。必ずしもすべて確認する必要もありません。まずはdelleの確認が必要だと私は考えています。

肩関節に対する運動療法

保存療法(opeしない場合)の運動療法

保存治療の目的として、疼痛の緩和、可動域の維持・拡大にあります。腱板断裂があっても痛みがあるとは限りませんが、痛みがある場合は、投薬による炎症と疼痛の改善を図ります。五十肩の場合は急性期の場合、運動療法は禁忌となりますので、肩に対する運動療法というよりはADL指導や姿勢を調整し、痛みを軽減する、反復しないようにすることが目的となります。

疼痛の改善が得られれば、適切な肩の機能のために動きの改善を目指します。
動きの改善とは可動域と筋力となります。
関節自体の可動域がなければ、どんなに筋力があっても、関節は動きません。 また、どんなに筋力があっても、可動域がなければ、関節は動きません。痛みの緩和が達成されたら可動域訓練、筋力トレーニングの流れになります。

NHKテキスト きょうの健康 腱板断裂体操 より 2017.4
NHKテキスト きょうの健康 慢性期・回復期の五十肩体操 より 2017.4

ただこれらの運動はもちろん効果が出てくる方もいらっしゃいますが、効果が出ない。痛みがでた等の悩みが出る方もいます。

実際はこれらの運動を実施した後、肩の挙上がしやすい、角度が上がる等の効果判定をしていく必要があります。

また、肩関節以外にも頸椎~腰椎、骨盤といった脊柱の介入、肩甲骨の体操が効果を出す可能性もあります。モビライゼーションも含めて後日まとめていきたいと思います。

また明日、動画をとってこちらに掲載したいと思います。