研修会日誌“顎関節症に対する徒手理学療法”

2019年3月2-3日で開催されました、日本理学療法士協会主催の講習会に参加してきました。計17時間(休み時間含む)!!
場所は首都大学東京!初めてのところでしたが・・・・遠かった・・・
簡単ではありますが、自分の復習もかねてまとめていきたいと思います。
*あくまで私のまとめですので、ご興味ある方は理学療法協会のHPより年一回開催しているようなので参加してみてください。非会員の方でも参加可能ですが理学療法士だけかもしれません。

なんで理学療法で顎なのか?

普段私が業務上、顎関節症だからリハビリ受けたいというお問い合わせはありません。ただ顎が痛い=歯医者のイメージが強いので、もしかすると元々顎関節症や顎の問題があったけれど、恥ずかしながら問診してなかったので可能性は否定できません。
私がこれまで何千人(万かもしれませんが・・)対応させていただきましたが基本的には頸椎の介入はしますが、顎や頭蓋骨の介入はしてきませんでした。オステオパシーにも頭蓋仙骨療法に代表されるように頭蓋骨や顎は人体の運動連鎖やホルモン分泌にも関わりますので、重要な器官ということは認識していましたが如何せん習ったことがないため敬遠していました。

上記のペンフィールド教授の脳内MAPにあるように運動や感覚に顔面、舌、顎はかなり関与していることが分かります。下顎の位置関係や口腔内の機能を向上することで認知レベルや身体機能が変わることから納得できます。

顎関節は基本的に上顎、下顎が靱帯と筋によって結合されています。
靭帯、筋である以上、理学療法の適応となりますので、
実際どのように考え、どのように評価し、どのように介入するかをまとめていきます。(*講義資料は出せませんので、私の感じたことや考えたことも混じっています。)

顎関節症の概念 2013年

顎関節症は顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害あるいは顎運動以上を主様症状とする障害の包括的診断名である。その病態は咀嚼筋痛障害、顎関節痛障害、顎関節円板障害および変形性顎関節症である

顎関節症の病態分類

①咀嚼筋痛障害:痛みは主に筋線維自体と筋膜に由来。
*疼痛筋:側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、顎二腹筋、胸鎖乳突筋
②顎関節痛障害:関節包、靭帯、円板の伸展、捻挫で起こる(非感染性)
*過度の開口、あくび、硬固物の咀嚼等慢性外傷が原因
③顎関節円板障害:関節円板の転位、変形、穿孔、円板後部肥厚組織や滑膜の変性、繊維化
・a:復位製:クリック音はするが開口、閉口可能
・b:非腹位性:開口制限+
④変形性顎関節症:顎関節を形成する骨に変形をきたした状態
原因:骨表面の変形のため、クレピタス音(ジャリジャリ音)を生じる
に分けられます。

顎関節症の診断チャート

理学療法士が主に対応するのはⅠ:咀嚼筋痛症、Ⅱ:顎関節痛障害
http://www.chiyoda1st.com/2014/08/post-79.htmlより引用、改変

顎関節症の原因

・外傷
外力:食事・あくび・歌唱等の過開口、スポーツ・喧嘩・事故等による打撲
・医原性
歯科治療・全身麻酔のおける経口挿管・頸部の牽引
・異常習慣
はぎしり、くいしばり、カチカチ反復して噛む等の日常的な癖
・その他
生まれつき(骨格、発育の問題)、不正咬合等
関節内滑液の年度や潤滑
関節内の大社副産物や疼痛伝達物質
精神的負担(不安、ストレス、精神障害)

https://www.club-sunstar.jp/article/lifestyle/brushing/917/より引用

TCH(歯牙接触症)

東京医科歯科大学の木野孔司先生が提唱しているTCH(歯牙接触症)。TCHの方は1日の中で歯を閉じている事で咬耗が増悪し、顎関節の変形を助長したり、頭痛、肩凝り等の症状に繋がるといわれています。
もちろん顎関節症になる確率も増大してきます!

では一般的にはどれくらい歯の接触時間があるのでしょうか?

正常では1日に上下の歯が接触しているのはなんと!

17.5分!

しかないようです。もちろん食事中等もそうですが、ずっと噛んだままってないので、よく噛んで食べることは良いことですが、頬杖ついていたり顎に手をのせて長時間授業や講義を聞いていたりすると上下の歯の接触時間が増大してきます。

理学療法評価

・視診:銀歯の数や歯ぎしりの跡がないか等
・痛み:one finger test(指さしで局所的な痛み)安静時痛、夕方痛、朝方痛。
・ROM:開口時のクリック音、クレピタス音の確認。*開口量は指2-3横指
・筋力検査:開口、閉口、側方移動、前進移動、後退運動
・姿勢(アライメント)

痛み

この部位に肩こりや肩痛等の訴えがある場合もあります
側頭筋の場合は頭痛、片頭痛の訴えがあります

多くの場合は局所的な痛みを訴えます。
one finger testとも言いますが、指先で“ここが痛い”というような訴えとなります。

ROM(関節可動域)

基本的には患者さんの指で2横指以上開口できることが基本です。
しかしながり2横指ぴたりぐらいだとあまり開口できない状態になりますので、3~4横指程度の開口ができると完璧です!
痛みが夕方なのか朝方なのかによっても状況が変わります。
TCHの場合アライメントやメンタル的な要素もあり歯と歯がくっついている時間が伸びてきますのでoverworkを起こし筋が炎症します。
朝方の場合は夜間帯に歯ぎしりをしたりくいしばったりしている場合にやはりoverworkで筋に炎症を起こします。
TCHの場合認知行動療法や生活指導で日中の歯があたっている時間を短縮できれば夜間帯が改善されるというデータがあります。

筋力

痛み、可動域と同時に筋力や自動運動でどのように開けていくか、左右対象にあけられるか等をチェックします。

姿勢(アライメント)

いわゆるスマホ首やPC首と言われる状態です。
胸椎後弯(丸くなる)→頸椎前弯(そる)状態です。
頸椎が前彎することにより歯と歯の接触時間が延長され、TCH発症→顎関節症、頭痛、肩凝り発症の可能性があります。


介入方法

介入方法は今回習ったのは筋膜リリース、関節モビライゼーションを使用した介入方法ですが、その他でも結果として舌骨上筋群、舌骨下筋群、側頭筋、咬筋、内外側翼突筋等の機能改善を目指すということは変わらないと思いますので筋膜リリースにこだわる必要はないかと思います。

私の場合は関節に対する介入を中心にインソールや運動連鎖の考え方を応用して介入していますが、頚部や体幹への介入は今までのものをアップデートでき、顔面に関しては筋膜リリース、顎関節単体への介入は筋膜リリース&関節モビライゼーションが有効ということは身をもって感じました。
筋膜とは言ってますが、筋膜のみへの介入はできないので、膜全体への介入のイメージだと私は解釈しています。

筋膜とは

筋膜は、全身に連なる三次元的に連結した組織であり、筋膜は全体として身体のすべての他の要素を被っている。(*第2の骨格と言われている) 
*第2の骨格と言われる所以は筋膜のみ体から抽出した場合でも人間形になる為。
筋膜は浅筋膜、深筋膜に分かれる。これらはいずれも皮膚と骨・筋との中間の位置に存在している。皮下組織は疎性結合組織と脂肪組織が入り交じったものであり、皮膚と筋の筋膜とをつなぐ役割を果たす。

筋膜は膜に強度と形態を与える*typeⅠコラーゲン線維と形態記憶性と伸張性を与える*エラスチンからなる。
*typeⅠコラーゲン線維:最も普遍的あ膠原線維を作るコラーゲン。腱、筋膜、皮膚、骨等にも見られる最も大量に存在するコラーゲン。骨に弾力性を持たせるのに働いている。皮膚、真皮にも多く、強さを生み出す働きをしている。
伸長性には乏しいが、張力には強い。ある一定のところまでしか伸びないが、引っ張られていても耐えることができます。
*エラスチン:伸長性、弾性に富み大体1.5倍まで伸ばすことできる。
エラスチンには形状記憶作用もあり、45分以上同じ状態で引き伸ばさられるとその状態を維持する働きがある。
**総合的にはエラスチンが結合組織に柔軟性を与え、丈夫なコラーゲンで組織が伸びすぎて損傷が起こらないように守る。というイメージ。

実際の介入

実際の介入はなかなか説明が難しいところではありますが・・・・
私が実際にするよりも筋膜リリースの第一人者である竹井先生の動画を貼り付けます。

竹井先生が推奨している筋膜リリース かなり前の動画ですが・・・
今現在筋膜マニュピュレーションを推奨しています。

今回は長文になってしまいまして作るのに時間がかかりました。

ちょっとセラピスト向けの内容が多く偏っていましたので少しずつ一般向けにも情報を発信していこうと思います!

ブログ初心者なのでかなり怪しいですが・・今後ともよろしくお願いいたします。