肩の痛みに対するリハビリテーション

今回は肩痛に対するリハビリテーションということでまとめていきたいと思います。

はじめに

肩痛の原因として腱板断裂、五十肩、インピンジメント症候群が代表的な原因ですが、それ以外にも痛みや可動性の制限になるものが多くあります。

肩関節だけでもたくさんの筋や関節が関与して動いています。立っているとき、座っているとき、寝ているときで動員する筋肉は違いますが、多くの場合立って、もしくは座って肩を動かす場合が多くあります。

本日紹介するものはあくまで個人個人にそった方法で実施しなければならないものではありますが、リハビリテーションの一例として紹介していきたいと思います。

肩関節自体の可動性や筋力を上げる方法は多々あります。こちらに簡単なものを紹介しています。

本日はそれ以外、頸椎、胸椎、肩甲骨の動作訓練により肩の動きを改善させ、痛みの緩和につながる運動療法を紹介していきます。

肩関節の運動療法

理学療法士として介入していく場合、介護予防での体操か個別で介入していくかにより方法は分かれてきます。今回私が臨床で実際にお伝えしている自主練習を紹介します。

簡単な内容なので、嘘っぽくなりますが、効果判定をしっかり実施していくことが大切です。是非一度試してみてください。

運動療法前後の違い 左運動前 右運動後 *まじめにやってます。

今回は頸椎と肩甲骨の運動のみ実施しています。
個々の運動機能や運動方向が合った状態で介入することができればすぐに効果が出ます。しかしながら、運動方向が合ってないと効果は逆に出ます。

実施した内容

実施する前

頸部の運動

頸部の伸展 *頸部が反るように喉を前に出す
イメージで上を向きます。

肩甲骨の動き

肩を回します。回す方向は前側で回していきます。

結果

結果肩挙上の可動性が上がり動かしやすくなります。

逆の運動をした場合・・・

これが個々の運動方向に合わない逆の方向に動かした場合・・・

頸部は屈曲し、肩は後ろに回します。

結果

頸部と胸郭が伸展せず、肩の可動性が落ち動かしにくくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

各個人個人どの運動があっているかは人によりますが、概ねどちらかの組み合わせで改善することが多いです!是非実施してみてください!

おまけ

今現在理学療法士協会が肩痛に対してのエビデンスをまとめていますが、理学療法は*グレードB、*エビデンスレベル2となっています。

理学療法診療ガイドライン第1版(2011)より *第2版は2020年発刊予定

凍結肩患者 10 人に対し運動療法と電気治療、マッサージを 4 週間行い,自動可動域, 筋力,筋持久力と疼痛の変化を調査した結果,治療前と比較し,内旋・外旋以外の自 動可動域と測定した全方向の筋力、筋持久力が改善した。

1 日 30 分のプールやジムでのエクササイズ,干渉波,マッサージなどの個別リハビリ テーションは,凍結肩に対して疼痛および筋力改善に有効であった ・ 凍結肩患者に対し週に 2~3回の治療(温熱療法,超音波,モビライゼーション,スト レッチ,筋力強化)を 4~6 週行い,関節可動域と関節内容量の変化を比較した結果, 急性・慢性期の凍結肩患者において可動域改善をもたらし,関節内容量は発生から 2か 月未満の急性期患者において改善傾向がみられた 10)。 s

運動療法は推奨グレード B、エビデンスレベル 3となっています。

・ 凍結肩患者に対して,スリング,抗炎症剤,ホットパックによる疼痛コントロール後, 1 日 2~3 回の振り子運動と低負荷でのセルフストレッチを行った結果,平均 14 か月 で可動域が改善し,痛みを伴わずに日常生活が可能となった 3)。 t Table 7 Colo

徒手療法(manual therapy)推奨グレード B、エビデンスレベル 2

モビライゼーションは疼痛を改善するが,超音波療法やマッサージは悪影響を及ぼす
週 2~3 回,1 か月の自動運動の群,モビライゼーションの群ともに可動域は改善し, モビライゼーションは特に外転角度を改善させた。疼痛の改善には差がなかった

上記のまとめのように海外論文や日本の論文をまとめて実際に効果がどうなのか?といことを医師やセラピストは重要視してきます。しかしながら良い反応ばかりではなくリハビリテーションを積極的に実施しても長期的には実施しない者との差がなかった。急性期の炎症が強い状態であれば積極的なリハビリテーションやモビライゼーションは禁忌である。等の表記もあります。

なんでもかんでもリハビリすればというような状況ではありませんが、時期や症状をしっかりと評価することにより確実に効果があるリハビリが提供できます。理学療法士や作業療法士の中でも能力は正直ピンキリと言っていい現状もあります。少しでもスタンダードレベルを上げて、痛みや可動域制限に対して対応できるセラピストを増やしていくかが今後のキーポイントになるかと私は考えます。